同じ職場の元プロボクサーのブログを見つけました。そっとコメントを書いておきました。
ビッキー・ホリディです。
最近よくする妄想に、「自分が結婚したらどんな結婚生活になるのか」があります。
そうやって僕が妄想している間にも周りではどんどん現実になっていって、ふと気がつくとなんだか泣けてくるので僕はまだなにも気がついていません。
で、まずは結婚式からなんですが、披露宴で入場するときの曲があるじゃないですか。あれをなににしようかなーと。
僕がやりたいのは、新郎(僕)と入れ替わった別の偽新郎と新婦が入場してきて、テーブルをひとまわりして、新郎新婦の席まで行ったところで僕が駆け出してきてハリセンかなんかで偽新郎をぶっ叩く、ってやつです。
で、そんときの入場曲はベタなやつで、わかりやすい感じのがいいかなーと。そっちのがギャグが伝わりやすい気がするので。
たとえばなんでしょう。これも結構迷っているのですがシャーリーンの『愛はかげろうのように』とか。でもこれ、歌詞が全然披露宴に向いてないんですよね。
あとはクラプトンの『Wonderful Tonight』とかですかね。いきものがかりの『気まぐれロマンティック』とかエレカシの『ワインディングロード』や『笑顔の未来へ』も捨てがたい……
それにもうひとつやりたいことの候補があって、入場曲を聖飢魔IIの『蝋人形の館』にして、新郎新婦共に閣下のメイクで登場とか。
要はふざけたいんですよ。なんかまじめくさった披露宴とか、他人のはいいですが自分のってなると退屈なんで。
……まあ、結局僕は打ち合わせの段階で(リビングでゼクシィを読みながら)、そのやりたいことを秘め隠し、「こういうのは新婦がウェディングドレスとか来て、メインなんだから」と、奥さんの意向を最大限に尊重するんですよ。
そんときに奥さんに「バカじゃないの、これは二人の披露宴なんだから、あなたも真面目に考えてよ」とか言われるんですよ。
いい奥さんですね。ウェディングドレスとかでキャッキャしているときでもちゃんと僕のことも慮ってくれる。お兄さん、ここでちょっと涙腺が緩みます。
で、僕の↑で書いた意向を言うと、「はあ!?なに言ってんの!?会社の人だって来るんだよ?そういうのは二次会とかでやればいいじゃん!」とかなんとか。でも僕は「あえて披露宴でやりたい!」と。「どうせ出オチだし、最初のお色直しでチャラになるから!」と。
侃々諤々の議論の末、僕の案のどちらかが採用になるわけです。なんやかんや言いながらも、僕の悪ノリに付き合ってくれる。「カタギの発想じゃない」とか言いながら。素晴らしい奥さんですね。
もちろん、披露宴では最初こそふざけますが、あとはちゃんとやります。新婦からお父さんへの手紙なんかもやります。ブーケトスとかね。
披露宴の話はこのへんで、あとは日常ですよね。
僕は奥さんにも働いていてほしいんですよ。経済的にもそうですが、なんていうかずっと家にいちゃ息がつまるというか、外に出て少しでも刺激を受けないと老けるのが早くなっちゃいそうな気がして。子どもはすぐにはつくらず、まあ、2、3年は二人で過ごしたいですね。
家事はお互いでできる人ができるときにやる感じで。でも基本的に僕は料理が嫌いなので(母親譲りです)できれば料理は奥さんにやってほしい。でも帰りが遅いときとかは仕方なくやりますけど。
食事は一緒にとって、僕は奥さんの話をひたすら聞いている。なんでもいいんです。仕事の愚痴でも今日あったちょっとしたことでも、なんでも。脈略とか論理的整合性とかなんかどうでもいいんです。とにかく喋っている姿を見ているのが好きなので。あと、聞くのも。
食事のあとはソファかなんかで一緒にテレビを観たりして。そのあと、寝室では……どうせ僕は睡眠薬飲んでいるので普通に寝てしまいます。薬飲むとアレがアレになっちゃうんで。使い物にならなくなるので。実にプラトニックな夫婦生活になります。奥さん、ごめん……
ついでに子どもができたときの話も。
僕、自分の子どもと全力で遊びたいんです。
公園とかに連れて行って、全力で。家でもオモチャとかで本気で遊びたいんです。奥さんに「ごはん食べないの!?」と叱られるまで。
仕事帰りにオモチャ屋さんで子どもの喜びそうなものを買ってきて、ウキウキで、「今日はこれで遊ぶぞー」と家に帰ってきて、僕がルンルンで帰ってくるなり奥さんが「またそんなもの買ってきたの!?」と。「いや、だって、楽しそうだし……」「お小遣いから天引きしておくからね」「いやそれはあまりに非情だろ、君のヘソクリから……」「ヘソクリなんてあるわけないでしょ!」と。「じゃあ、今月美容室行くのやめて……」「はあ?ぶっ飛ばすよ」と。
結局僕のお小遣いから天引きされます。でも子どもは大喜びなので、まあいいかと。
あと、子どもが大きくなって、高校生になって、ちょっと反抗期というか、背伸びしたい年頃で、学校からちょいちょい呼び出しを食らうんですよ。
僕が学校に行って、担任や校長に謝罪して、そのあと、車の中です。
お互いに無言で。子どももバツが悪くなにを言っていいのかわからず、僕は子どもからなにかを切り出すのを待っていて。
そのときに僕が言うんです。「メシ食って行こうぜ」と。
そのへんの店に入って、メシを食べながら、ぽつりぽつりと喋るんです。僕の高校生だったころの話とか。あとはちょっとたしなめる程度に説教を。んで「帰ったらお母さんに謝れよ」と、それで会話は終わりです。
もしも子どもが娘だったら……たぶん僕は溺愛しますね。男兄弟なので娘なんてどう扱っていいのかわかりません。たぶん話しかけても「別になんでもない」とか言われるんでしょうね。で、僕は「なんだよ、機嫌悪いな、生理か?」とか言って逆鱗に触れ、「マジでどっか行って!マジで最悪!死ね!」とか言われるんでしょうね。それでもめげずに誕生日やクリスマスには僕なりにプレゼントを用意して、「ほら、これ……お前誕生日だろ」と、しどろもどろに渡すんです。娘は「……あ、うん……ありがと」みたいな感じで。でも娘の好みはからはちょっとズレていて、身につけているのを見ることはなく、ちょっとヘコむんです。でもひょんなことから、実は娘は自分の部屋にそれとなく僕のプレゼントを飾っていてくれているのを知って。ここでもお兄さん涙腺が緩みます。
――そんな妄想をしています。お付き合いありがとうございました。
言っても結婚願望無いんですけど。
めんどくさいというか、めんどくさくはないんですけど、なんかいまの生活で完結しちゃってるというか、結婚する暇に小説を書きたいというか。やっぱり作家になるってのが僕の中で一番にあるので、どうしたって結婚とか恋愛とか、奥さんや子どもは二番三番になっちゃうんですよ。
あと、同じベッドで寝るとか、ちょっと抵抗があります。両親はいまもそうなのですが、ざっくばらんに言って気持ち悪いな、と。まあ、もう僕には関係のないことなので、好きにすればいいんですが。
それに↑でも触れましたが、薬飲んで寝るのできっと奥さんはいろいろと切ない思いをすることになるでしょう。ついでにいえば僕、朝、めっちゃ機嫌悪いので、それも申し訳ないなと。
そうは言っても、こんなのは机上の空論で、好きな人ができたら割とすんなり受け入れられるような気もします。相手が僕に合わせられるかはわかりませんが。
肝心の奥さん像ですが、外見云々は置いておいて、僕は、僕のことをなんの根拠もないくせに全面的に支持してくれる人がいいですね。「ビッキーなら大丈夫だよ!」「どうしてそう思うの?」「いや、知らないけど、でも大丈夫なんだよ!」みたいな、そんな感じの人がいいです。それで料理が好きだったらもう、言うことはありません。下手でもいいんです。好きってところが大事で、せっせと僕のためにお弁当とか作ってくれたり。料理なんて好きで回数こなしてれば自然とそのうち上手になりますし。
母親が料理が大嫌いで、いつもビール片手に料理をしていたんです。あるときにはワインを飲みながら料理をしていて、グラスに残ったワインをその料理の中にブチ込むのを見て、僕は「こんな女とは絶対に結婚したくないな」と思いました。よくもまあ、父親はあんなのを選んだな、と侮蔑半分尊敬半分です。元ヤンだし。昔母親が車で仕事から帰ってくるときに、前にガキどもの数台のチャリが車道を蛇行運転していたらしく、「轢き殺すぞヴォケ」みたいな感じで煽ったら、そのチャリに乗ってたガキが弟の同級生だったってのはいい思い出です。そのあとこんこんと父親が説教していました。僕は笑ってそれを見ていました。
父親も父親で、なにを考えてるのかわからず、なーんかいっつもヘラヘラしていて、すぐにキレるし、実家にいたころはいっつも喧嘩してました。ときには2年くらい一切喋らなかったときもあります。「こんな大人には死んでもなりたくないな」と思ってました。よくもまあ、母親はこんな男を選んだな、とやっぱり侮蔑半分尊敬半分です。
割れ鍋に綴じ蓋とはよく言ったもので、そんな感じなのかなーと思ってます。あと、最近、僕の性格が父親に似てきたな、と。それを自覚するようになってだんだん父親の気持ちがなんとなくわかってきました。
父親の唯一尊敬しているところは、「弱音や愚痴を吐かない」ところです。当然ストレスとかあるでしょうが、家に帰ってくるとどんなに疲れていてもヘラヘラしています。なにを考えているのか、あるいはなにも考えていないのかわかりませんが、それがなんとなくカッコいいなと思ってます。
話がだいぶそれましたが、まあ、結婚なんて僕には縁遠いというか、むしろ縁のない話だと思います。親ももう「彼女作れ」とか「孫の顔が見たい」とか、言わなくなりました。諦めんの早くねえ!?とは思いますが(なにせまだ僕、27歳ですからね)、まあ、孫の顔は弟が見せてやるでしょう。あいつは結婚したいらしいですし。
なので僕は家とか土地とか、そういう相続関係のは放棄して、全部あいつにやろうと思ってまして、昔それは弟に言いました。その代わりに両親に孫の顔を見せるのはあいつの仕事だと、長男の僕はエスケープしました。