針の雨
濡れる街角
しけたマッチは売れません
生きる証
濡れた花びら
誰かのぬくもりだけが欲しい
でもそれじゃまるで古い馬
乗り回されて喘ぐ馬
情に駆られた者は静謐を否とし
燃え上がる焔だけに真実を見る
辛い現実
退屈な日常
求める刺激はどこにもない
喘ぐ肉欲
騒ぐ血潮
本能だと甘えて駆け出す先は……
でもそれじゃまるで蜉蝣
薄紅に絆されてただよう蜉蝣
獣に化ける互いの秘密
宵闇が見守るヴェールの中で
理性の檻を解き放ち
獣は駆け抜ける
寂しさは風となり
愛しさは希望に変わる
愛を知らぬ夢物語
恋を忘れた吟遊詩人
猛る情念
一抹の不安
かぶりを振って肉を抱く
それだけが生きる証
それだけが生きる意味
でもそれじゃまるで古い馬
乗り回されて喘ぐ古い馬
それでもようござんすか?