「アンタ、ここがどこだかわかってんのかい?」
錆びたトランペットを抱えた男
マスターはカティーサークをラッパ飲み
やけにキツいアイリッシュ・コーヒー
BGMはDixie Chicken
スパゲティ・ヘアーをした老いぼれが言う
「ビートルズのコード進行はおれが全部発明したのさ」
ボロボロのホワイトファルコン
歌いだしたのはYellow Submarine
常連たちも声を合わせるあのメロディー
「この街は若者だけの街じゃない」
Yellow Submarine,Yellow Submarine
「ここへ来たなら酔わなきゃならない」
Yellow Submarine,Yellow Submarine
「飲んで歌って、忘れちまおう」
Yellow Submarine,Yellow Submarine
「そろそろおれは行くぜ、じゃあな」
錆びたトランペットを抱いて席を立つ
「なあ、アンタもなにか聴かせてくれよ」
歯のない男がそう叫ぶ
「マイルス・デイヴィスと演りあったんだろ?」
客たちは大笑い
寂しい夜にはここへ来な
たどり着ければの話だが